2022.06.30

「日本語って難しい」と思うことがよくあります。

例えば、ビジネスメールを打つ時や、電話応対、上司や同僚と話す時。そして、この記事を書いている今も。

言葉選び次第で、自分が伝えたいことをそのまま受け取ってもらえたり、伝わり方が変わったりします。

敬語について

敬語には、尊敬語・謙譲語・丁寧語の3種類があります。相手に対して尊敬の気持ちや丁寧な気持ちをあらわすことができます。

尊敬語

動作主に対して敬う気持ちをあらわします。

相手の動作に対して使う(相手軸で考える)敬語です。

〈例〉

「◯◯様」「おっしゃる」「来てくださる」

  ※「役職+様」は二重敬語です。役職名は敬称をつけていることになるので、「役職のみ」または「 (お名前)+役職」が正しい表現です。また、「様」を付ける場合は「役職+(お名前)+様」と使うと自然です。

謙譲語

へりくだった言い方で相手への敬意をあらわします。

自分の動作に対して使う(自分軸で考える)敬語です。

〈例〉

「申す」「伺う」「参る」

丁寧語

丁寧な表現を使って敬意をあらわします。

どんなシーンでも使える万能な敬語です。

〈例〉

「です」「ます」「ございます」

参考:敬語とは

「よろしいでしょうか」と「よろしかったでしょうか」

さて、皆さんはどちらの聞き方をしていますか?

例えば、「ご注文は以上でよろしかったでしょうか?」と、巷でよく聞く文言です。

正しい使い方は、「よろしいでしょうか」です。

現在の物事の内容を確認する際に「よろしかったでしょうか」と過去形で尋ねているため、間違いとされます。

過去の物事や行為に対して確認をする場合には、「よろしかったでしょうか」が適切な表現です。

参考:よろしかったでしょうか

「〜の方」

さまざまなシーンで「〜の方」と使われますが、

「お会計のほうお願いします」「お会計をお願いします」

どちらが正しいでしょうか?

正しい使い方は「お会計をお願いします」です。

では、「〜の方」は使ってはいけないのでしょうか?

「〜の方」にも正しい使い方があります。

“方向” や “分野” を指すとき、「2つ以上のものから1つを取り上げる」という意味で使う場合は問題ありません。例えば、「担当者の方から連絡いたします」は正しい使い方です。

「〜の方」は、やわらかい伝え方ができますが、間違った使い方をすると失礼になってしまいます。

また、無くても通じることが多く、はっきり伝わります。

参考:「〜の方(ほう)」は 敬語として間違い?言い換え表現は?

「もしもし、荻野精機です」と「はい、荻野精機です」

ビジネスシーンにおいて、電話をする機会は多いのではないでしょうか。

電話に出る際、どのように出ますか?

正しい電話の出方は「はい、荻野精機です」です。

物心ついた頃から「もしもし」と耳にしていましたが、なぜ正しくないのでしょうか?

「申します」が「もし」と略されていることから、「略語はビジネスにふさわしくない」と判断されたのではないかと考えられています。

仕事の電話応対で「もしもし」と言ってしまったとしても、大問題につながることはないと思います。「ビジネスシーンでは不快に思う人がいるかもしれない」ということで、「もしもし」は日常遣いとされているのではないかと考えます。

参考:ビジネス電話で「もしもし」はNG!対応マナーやNGワードをおさらいしよう

伝わる言葉選び

ここで冒頭の文章、最後の一文を見てみます。

「言葉選び次第で、自分が伝えたいことをそのまま受け取ってもらえたり、伝わり方が変わったりします。」

上述した一文は、もっと良い書き方が出来そうです。

この文章の真ん中部分は、

自分が伝えたいことをそのまま受け取ってもらえたり」

“自分が” は無くても通じるので取ります。

“そのまま” は、“言葉通りに” の方がわかりやすいと感じるので、変更します。

後半部分は、

「伝わり方が変わったます。」

「変わったりします」の “った” と “し” が無い方が短い文章でスッキリした印象になります。

修正後の文章は、

「言葉選び次第で、伝えたいことを言葉通りに受け取ってもらえたり、伝わり方が変わります。」

少し言葉を変えただけで見やすく、受け取りやすくなりました。

言葉足らずで相手に誤解を与えてしまうことや、“あの時、違う言葉で伝えられたらよかったのでは…?” と思うことがあります。

ビジネスシーンやプライベートでも、自分の想いを相手に適切に伝えるための「伝わる言葉選び」は必須です。もちろん言葉選びだけでなく、コミュニケーションがあってこそ、適切に伝わる場合もありますが、どんな関係性でも適切な言葉選びをし、良好な関係を築きたいと思います。

難しいと感じる日本語ですが、使い方を知るたびに面白いと感じます。荻野精機をより深く知ると、想像以上に面白いかもしれません…!

ぜひ、YouTubeで荻野精機の面白いところを覗いてみてください!

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Writer mochi