大阪府茨木市に本社を置く高石工業株式会社は、工業用精密ゴムパッキン、合成ゴム精密成型品、ゴム金属焼き付け品などを製作する老舗ゴムメーカーだ。1948年に創業した後、1953年よりゴムパッキンの製造を開始し、現在では最先端の水素ステーション用のOリングも開発している。その高石工業で多種多様なゴムパッキンの切断時に使用されているのが、荻野精機製作所のスーパーカッターだ。導入に至った経緯から使用後の感想まで、同社代表取締役の高石秀之氏にお話を伺った。

工業用精密ゴムのトップランナー

— 高石工業の事業内容について詳しくお聞かせください。

高石工業株式会社 代表取締役の高石秀之氏

弊社では、水・ガス用ゴムパッキンの量産から内製金型を使用したゴムパッキンの試作、ゴム配合薬品の性能評価試験まで、ゴムについて総合的に取り扱っています。特に、住宅内外の機器や設備のシール材として使われているケースが多いですね。各種流体のシール用材料はすべて自社で開発しており、お客様に最適な材料をご提案できることが強みです。

それ以外にも、新しいことにどんどんチャレンジしています。代表例としては、水素ステーション用のOリングの開発があげられます。水素ステーションとは、燃料電池自動車(FCV)にとってのガソリンスタンドのような場所。つまり、FCVはそこで水素を補給するわけです。通常のOリングは水素の圧に負けてすぐに使えなくなるのですが、弊社では過酷な環境に耐え得る高圧水素用のOリングを開発しており、現在、日本全国にある水素ステーションの約3分の1で導入していただいています。2007年より九州大学の先生と基礎研究を始め、2013年に製品化に成功しました。

安全性・操作性・静音性に配慮された切断機

—顧客ニーズに合わせたさまざまな製品を開発しておられますが、荻野精機の機械を導入された経緯を教えてください。

2015年の春、それまで旧式の切断機を使っていたのですが、そろそろ新しい機械の導入を検討しようということになりました。

そこで、同じ業界の方々に話を伺うと、みなさん「荻野精機の製品はおすすめだよ」とおっしゃるんですね。まさに、口コミです。

高石工業、大阪本社にある工場の様子

製造部部長の石原に問い合わせてもらいまして。

スピーディーに対応していただき、すぐに埼玉の荻野精機本社まで見学に行くことになりました。やりとりがとても丁寧でしたし、工場も清潔感があり、しっかり整頓されている。その時点で、すでに好感を持ちました。

高石工業本社の工場内で活躍する荻野精機の切断機

— 実際に機械を見た後、試し切りもされたと思います。切断機の印象はいかがでしたか?

安全性、操作性、静音性、デザイン、あらゆる点で優れていると思いました。まず安全性ですが、刃周りの設計に気遣いを感じました。荻野精機の切断機は、誤って手を入れることがないようしっかりとカバーがしてあるんですね。従業員の安全を考えると、これは重要なポイントでした。そのほかのデザインも洗練されていると思います。弊社で導入したスーパーカッターは、「まさにメカ」という印象がなく、白を基調にしていて圧迫感がありません。

安全設計に配慮した荻野精機の切断機

操作性の良さも魅力です。レバーを引いてクラッチを入れてという操作が必要なく、スーパーカッターは基本的にタッチパネル。ボタン一つで操作できるのは、楽ですよ。静音設計にも細やかな配慮があると感じます。荻野精機の製品に変えてから、工場から聞こえる音が極端に小さくなりました。見学ではこうした特徴をしっかりと確認でき、導入をすぐに決めました。

丁寧な対応、保守から安心感を得た

— 実際に導入された後の感想をお聞かせください。

実は導入直後、弊社で取り扱うグレーゴム(シリカ配合ゴム)で、少しきれいに切れないことがあったんです。このゴムはやや特殊なところがあって、刃にかなりの剛性を必要とします。

切りにくいグレーゴム

そこで、荻野精機さんに相談したところ、かなり親身になって調べてくれまして。うちも70年の歴史があるのでわかるのですが、老舗のプライドで、「きれいに切れるよう作り直します!」と提案していただきました。この会社はとことんお客様と向き合う会社なんだ、と驚きましたね。わずか一ヶ月ほどで新しい機械を納品していただき、感動したことを覚えています。その後、故障などは全くなく、順調に稼働しています。まさに口コミ通りでした。

また、新しい技術やデザインの採用にも積極的な会社だという印象を持っています。お話をさせていただくたびに発見がありますね。

世界へとさらに羽ばたく、そのパートナーとして

— 水素ステーション用のOリングをはじめ新規開発にも積極的な高石工業ですが、今後の展望はどのようにお考えですか?

水素ステーション用のOリングは、ポテンシャルを秘めていると思います。中国でもFCVの取り組みが活発化していますし、環境問題に対する意識が高い欧米からの引き合いも増えてきています。現在、ベトナムにも拠点を持ってビジネス展開していますが、今後は日本だけではなく世界に向けて積極的に動いていきたいと考えています。そのためには、ゴムの製造を支える素晴らしい機械の存在が不可欠です。荻野精機さんとは、今後も良きパートナーとしてお付き合いしていきたいと思っています。

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Interviewer/Photo:石野 雄一